小児外科
小児外科
小児外科は新生児から15歳までの外科的疾患を対象としている診療科です。代表的な疾患としては、鎖肛、臍帯ヘルニア、腸閉鎖、食道閉鎖、横隔膜ヘルニアなどの先天的疾患、肥厚性幽門狭窄症、腸重積症、鼠径ヘルニア、急性虫垂炎、胆道拡張症、胆道閉鎖症などが挙げられます。
当クリニックでは、手術をするわけではありませんが、小児外科の対象となるような病気を早期に診断し、適切な時期に適切な施設への紹介を行います。ご家族の不安を少しでも軽くなるように十分な説明と相談を行っていきたいと思っています。
「どの診療科に行けばよいかわからない」という場合でも、まずはお気軽にご相談ください。
子どもの転倒などによる外傷は、多くの場合は、様子をみたり、ぶつけた部位を冷やすといった対応ですみますが、傷の大きさによって縫合をした方が早く治ることもあります。
陰嚢の中に水がたまった袋があり、陰嚢が大きく膨れる状態になる病気です。基本的に痛みを伴いません。
自然に治癒することが多いとされ、1−2歳を過ぎると自然治癒がしにくくなるといわれています。
鼠径ヘルニアと陰嚢水腫の判断は難しいこともあります。自然治癒が望めない場合は、手術が必要です。
大腸の起点である盲腸(もうちょう)についている虫垂突起が炎症を起こす病気です。いわゆる“盲腸”として広く知られています。
4、5歳頃からみられ、小学校高学年から中学生にかけて発症頻度が高くなります。ただし、2、3歳の小児であっても発症することがあり、その場合、きちんと症状を訴えることができずに発見が遅れたり、腹膜炎を起こしたりするなど、重症化につながることもあります。
「右下腹部の痛み」が最初から出てくるとは限らず、みぞおちが痛い、ふだんより元気がない、機嫌が悪い、食欲が落ちる、といった症状から始まることもあります。
炎症が進行すると、腹痛以外にも発熱や嘔吐といった症状が起こるようになってきます。
炎症の強度により虫垂炎の重症度は大きく変わるため、身体所見や超音波検査・CTなどの所見を総合的にみることが必要です。
保存療法と手術療法(開腹手術、腹腔鏡手術)があります。進行度によって変わりますが、炎症がそれほど進んでいない場合、手術ではなく、点滴や投薬、食事制限などで保存的に治療されることもあります。
腸閉塞は何らかの原因によって腸管の通過が悪くなっている状態をいいます。
症状としては、腹痛、吐き気・嘔吐、おなかの張り、おならや便が出ない、などがみられます。
ときには下血や脱水を伴って、ぐったりしてしまうこともあります。
腸閉塞で重要なことは腸管が血行障害を起こしているかどうかです。
腸回転異常や中腸軸捻転では、腸管を守るために早期診断と早期治療が必要になります。
血行障害を伴う場合、非常に強い腹痛が生じます。
血行障害を伴わない腸閉塞では、脱水補正の輸液や薬物療法、小腸内の減圧などで治療します。専門機関での精査・治療が必要なため、疑われる場合は専門機関を紹介いたします。
陰嚢内に精巣が触れないことで気づかれます。精巣は胎生期に腹腔内で発生して、その後、陰嚢内に下降してきます。下降の過程で正常な位置に到達せず停留してしまう状態が停留精巣です。
精巣が正常に機能するためには比較的温度が低い陰嚢内にある必要があります。腹腔内は陰嚢内に比べ、2、3度高い温度環境といわれており、そこに精巣が停留してしまうと精子をつくる細胞が徐々に機能を失い数も減少していきます。不妊や精巣捻転、精巣腫瘍のリスクが上昇する可能性があるため、手術を要します。
肛門周囲膿瘍は、肛門の周りが赤く腫れて膿(うみ)を持つ疾患です。
多くは生後1か月くらいから1歳くらいによくみられ、珍しい病気ではありません。
皮膚の下にたまった膿が、排出されれば腫れはいったん治まりますが、膿瘍は良くなったり悪くなったりを繰り返すことが多く、肛門周囲にも広がることがあります。
2歳くらいまでに自然に治ることが多いとされています。
膿瘍の程度をみて、切開排膿、漢方薬内服(排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう))を組み合わせて治療します。
学童期になっても繰り返す場合は、他疾患が隠れている場合があるので、連携医療機関に紹介し精査することもあります。
子どものいぼ痔は、大人に比べると稀ですが、頑固な便秘で強くいきむ習慣があったり、トイレに長く座りすぎたりすることで起こります。
肛門付近の血流が滞り、クッション部分がうっ血して腫れてしまった状態です。
外側にできる「外痔核」は痛みがあり、内側にできる「内痔核」は排便時の出血や脱出で気づくことが多くなります。
お子さまの場合、手術が必要になることは滅多にありません。
まずは、お薬で便を柔らかくする便秘治療が最優先です。
排便時の負担を減らすことで、腫れは自然に引いていくケースがほとんどですので、まずは生活習慣から見直していきましょう。
子どものいぼ痔は、大人に比べると稀ですが、頑固な便秘で強くいきむ習慣があったり、トイレに長く座りすぎたりすることで起こります。
肛門付近の血流が滞り、クッション部分がうっ血して腫れてしまった状態です。
外側にできる「外痔核」は痛みがあり、内側にできる「内痔核」は排便時の出血や脱出で気づくことが多くなります。お子さまの場合、手術が必要になることは滅多にありません。まずは、お薬で便を柔らかくする便秘治療が最優先です。排便時の負担を減らすことで、腫れは自然に引いていくケースがほとんどですので、まずは生活習慣から見直していきましょう。
子どものお尻のトラブルで、もっとも頻度が高いのが「切れ痔」です。硬い便が通る際に肛門の出口が切れるもので、排便時の鮮血や強い痛みを伴います。
一番の懸念は、痛みから「うんちは怖いもの」と学習して便を我慢してしまい、さらに便が硬くなって再び切れるという負のループ(悪循環)に陥ることです。
治療では、軟膏で傷を治すとともに、飲み薬で「スルッと出る便」を維持することが極めて重要です。
慢性化して肛門が狭くなる(狭窄)前に、早めに便秘治療を並行して行い、排便への恐怖心を取り除いてあげましょう。
主に生後半年くらいまでの男の子によく見られる疾患です。
下痢などで肛門のしわに細菌が入り、周囲が赤く腫れて「おでき」のようになります(肛門周囲膿瘍)。これが破れて膿が通るトンネルができた状態が「痔ろう」です。
大人の痔ろうは手術が原則ですが、乳児の場合は成長とともに1〜2歳までに自然に治ることが多いのが特徴です。そのため、まずは患部を清潔に保ち、軟膏などで経過を見る「保存療法」が一般的です。ただし、腫れを繰り返したり、発熱を伴う場合は切開が必要なこともあります。大人の治療法とは方針が異なりますので、小児外科的な視点での判断が大切です。
皮膚の表面や内部にできる“赤あざ”で、未熟な毛細血管が増殖して現れる良性の腫瘍です。見た目から「いちご状血管腫」とも呼ばれます。出生直後には目立たない状態ですが、数週間で出現して、数ヶ月かけて急に大きくなります。頭から体のどこにでもできますが、首から上が多いとされています。多くの場合、6〜12ヶ月かけて大きさのピークを迎え、その後5〜10歳くらいには自然に消失していきます。良性の腫瘍ですが、大きくなり体の機能に支障を来したり、出血、潰瘍、感染などのリスクがあったりする場合は、治療が必要となります。
全身にあるリンパ管が先天的にうまく形成されず、袋状に広がって塊(のう胞)になる良性の腫瘍です。多くは生まれつき、あるいは乳幼児期に首や脇の下などの腫れとして見つかります。中身はリンパ液で、基本的には良性ですが、炎症や出血により急に大きくなることがあります。治療は、のう胞に薬を注入して縮小させる「硬化療法」のほか、近年では内服治療(漢方薬(越婢加朮湯)や免疫抑制剤)も行われます。症状や場所、病型に合わせてこれらの治療を組み合わせますが、成長とともに自然退縮することもあるため、専門医による適切な判断と長期的な見守りが大切です。
病気や手術で小腸が短くなったり、先天的に腸管の動きが悪く、体に必要な栄養や水分を十分に吸収できなくなった状態です。
治療の基本は「中心静脈栄養」による点滴と残った腸を育てる「腸管リハビリテーション」です。
近年では腸の吸収力を高めるGLP-2アナログ製剤(テュデュグルチド)などの新しい治療も行われています。
専門医療機関による長期的なサポートが重要ですが、当院では中心静脈カテーテルの管理や点滴、注射薬、内服薬の処方のなど、日常生活をサポートいたします。
胸の骨(胸骨や肋軟骨)が変形している状態で、胸が陥没しているものを「漏斗胸」、逆に突出しているものを「鳩胸」と呼びます。
多くは生まれつき、または成長期に目立ってきます。
見た目の悩みだけでなく、骨の変形により心臓や肺が圧迫されると、疲れやすさや息切れ、動悸などの症状が出ることもあります。
治療は、胸の中に金属製のバーを入れて形を矯正する手術(ナス法など)などが行われます。
手術以外では、吸引器で胸を持ち上げるバキュームベル(漏斗胸)などが行われることもあります。
骨格が成長する過程で変化しやすいため、定期的な経過観察と、適切な時期の治療検討が大切です。
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